とても幸せそうな様子を「マンボウの天ぷらを食べたよう」って言うらしいが、だとしたら今日の僕はやたら幸せそうなはずだ。

もはや毎月恒例となった越境朝市強襲@川崎。
川崎漁協主催の市民向け市場解放なのだが、こっそりやってくる横浜市民にも分け隔てなく安値にて提供してくれる。
流石はよーがさんの領地だけあって、好い人ばかりだ。
そして毎度の事ながら、値段が有り得ない。
関アジ2匹で1000円とか大トロがグラム100円(!)とか、明らかに産地より安い。
どれをみても食指が動いてしまい、長考モードに入る。


そのとき僕の目に、「マンボウ キロ1300」との値札が飛込んできた。
即決で身、肝、腸をそれぞれ1キロづつ購入してえびす顔になる。
その他は大トロ200グラム200円、活き毛ガニ3匹900円(!)カジカ2匹1000円を購入。
帰路を急ぐ。


小6のレクリエーションの時に、一緒に遊んだ小1の女の子に「マンボウそっくり」と言われて以来僕のイメージキャラクターはマンボウなのだが、見たことなら未しも、食べるのは初めてだ。
切身なので捌く必要はなかったが、一応ネットで調べてみた。
すると、そこには「包丁を使わず手で裂いてください」と書いてあった。
身を手にとって見ると、筋が束になっている感じで確かに包丁はいらなさそうだ。
1本ずつに分け、大きすぎるものは爪で千切る。
一つ口に入れてみると、クラゲが主食なだけあって肉質はクラゲに近いものがある。
香りは魚と言うより鳥のささみに近い。
肝も生で食べられると聞いていたが、食べてみるときど味が強く後味が気になる。質の悪いフォアグラといった感じ。
余分な脂を落とせば割と良くなるかも…ってかホントに魚か?腸もまるで上ミノだし、肉屋にあってもなんの違和感もない。
面白いなぁ。。


生の身はぽん酢と酢味噌で味わう。
悪くはないが、身の味がないので調味料に負けてしまう。
この辺り軟骨魚類に似ている。
肝は細かく潰して空炒りで脂を抜き、味噌と七味で味をつけて、身を入れて煮込んでみた。
強い脂の匂い(親は肝油の匂いだといっていた)がするが、味はナカナカだ。
コレは良いなぁ、また手にはいったらやってみよう。
残りの身を大きめに裂いて、衣をつけて天ぷらにする。
天つゆと相性がいい。これは…上品な鶏の天ぷらだ。
腸はバターとクレイジーソルトで炒める。火を通すとなおさら上ミノと化した。
普通に一番うまい。


総括すると、癖になる味と言うわけではないが、万人受けはしそうな感じ。
滅多に手に入らないから、機会に恵まれた人は一度食べてみるといいかも。
安いし。
ただ、放っておくとどんどん水を出して縮み続けてしまうので注意。もはや魚肉ではありません。


ps.カジカは石狩風味噌鍋、毛ガニは茹でガニ、トロは海鮮丼で味わいました。朝食とは思えねぇ