朝4:30、父親の「朝市行くぞ!」という声で起こされる。
寝惚け眼で着替えながら頭を整理して、そして思い立って鞄をあさる。
ムッシュ福田のノートをめくり、ブイヤベースのページを取り出す。
授業でレシピを訳したので本場のブイヤベースを作ってみたい、と言ったことを思い出したのだ。


でも、確かに今日は月に一度の朝市の日なのだが、にしてもほとんどアポ無し、そしてこの時間の早さは殺人的過ぎやしないか?
ここ3日の平均睡眠時間が3時間代になってしまったではないか…


絶え間なく襲いかかる目まいと戦いながら車に乗り込む。
材料を確認しながら一路川崎を目指した。


着いてすぐに材料探し。
soup de poisson用の魚などないので、豆アジで代用。
カサゴの代わりにアイナメを購入。だって高いんだもん。
後はレシピに沿ってホウボウとフィエラ(ムッシュ福田はアナゴと言っていたが、あの大きさと断面はハモやクロアナゴのものの様に思われたので今回はハモ)を購入。
帰りは何故か自分が運転した。久しぶりすぎてどうかなるところだった。


家につくと母親は既に起きており、材料を準備していてくれた。
魚はおろしてアラと身を分ける。
アジだけでは不安なのでアラもスープに使うことにした。
トマトを炒めるのがめんどかったので缶詰のものとトマトジュースを煮切ったもので代用。
この辺でレシピからかなり解離していたが、この料理を編み出した漁師たちは、きっと細かいことは気にしなかっただろうと勝手に思いこみ、続行。
ポロねぎは長ネギ、フェンネルオレガノで代用。


ルイユも出来て、メインも火が通ったようなので盛り付けて食卓に。
soup de poissonはアラを入れたお陰でとても濃厚に仕上がった。アジだけじゃこうはいくまいて。
メインは味が薄いかと思ったが、ルイユを付けると途端に美味しくなった。ルイユだけ舐めても全然美味しくなかったのに。
そして、勿論全部美味しかったのだが、ハモの味は特に秀逸だった。
正直小骨だらけで食えたものでないかと思ったが、側線を境に上下に綺麗に身がとれ、全く問題なかった。
小骨が多い、のではなく、中骨がゴッツイので多少難儀すると言うだけだった。
身は繊細ながら旨味が強く、そしてなによりすばらしいモチモチ感がある。長物ではトップクラスの味わいだ。
この歯応えは骨切りしては味わえないだろう。


さて、とても美味しかったのであるが、正直朝からニンニクとオリーブオイルたっぷりのスープは胃腸にキツかった。
胃薬で胃酸をコントロールしながら再び家をでる。