少し前の山手雑学60秒にてやっていたネタで、「『へべれけ』はギリシャ神話の神ヘーベーがリュケー(お酌)するところから来ている」というのがあったが、あれが真っ赤な嘘であることが今日のギリシャ語の授業でわかった。


この説を唱えたのは明治の学者木村鷹太郎である。
彼は今から100年近くも前に古代ギリシャの様々な文献を片っ端から訳していき、現代まで続くギリシャ語学の礎を作ったとても偉い学者なのだが、彼は同時に次のような学説を唱えて譲らなかった。


曰く「全ての日本語はヨーロッパ言語をその語源としている。」


聞くからに電波な意見なのだが、支持した人はかなりいたようだ。
そういえば中学時代の英語の先生が「挨拶の『はい』は英語の『Hi!!』から来ているという説があります」とかいってたのを思い出した。
他にも例えば「『骨』は『bone』のローマ字読みから来ている」みたいなのもあって、流石にそんな説が学会の中心に来ることは無かった。
しかし、ギリシャ語に対しては知識を持つ人が少なかったために、このようなトンデモ説
が生き残ってしまったらしい。


そしてこの説のもっとも矛盾している点は、ヘーベーが女神であるという事だ。
美女で有名な‘ηβηがお酌してくれた酒なんだからさぞかし美味しくてベロンベロンにもなろう、なんて考えはいかにも日本的なものである。
古代世界では酌をするのは美少年と相場が決まっている。
古代史をちょっとでもかじってる人には常識の範囲である。


まあ問題は、山の手ビジョンでそんなウソを堂々と垂れ流してしまうということだろう。
他の広告でも誤植結構多いし、もっとしっかり作りこんだほうがいいとおもうけどなぁ。。。